オーデュポンの祈り
2005年4月29日 IMAGES AND WORDS新潮文庫伊坂幸太郎の「オーデュポンの祈り」読了。
手が進まないとか言った直後に頑張って書評を。
他にも多くの本を読んでいるのだが、どうしてもこれだけは書きたいので。
ミステリファンには以前より好評な伊坂幸太郎の世界を覗いてみました。
まず設定が異様。
この現代社会で、いまだに誰にも知られていない島が舞台。
しかもその島の住人たちは一人を除いて生まれてから一度も島から出たことがないという。
そして極め付けに喋る案山子。
最早ファンタジーのような世界設定です。
ミステリなのにあまりにも現実から乖離しているとか、要らぬツッコミを入れる人はこの時点で脱落でしょう。
それらの設定を呑み込んだ後、物語は紡がれます。
主人公はつい最近会社を退社し何もすることなくブラブラしていた日常に倦み、発作的にコンビニ強盗を企てた上にあっさり警察に囚われる人物。
彼の持つ過去の傷と現実からかけ離れた島での生活、そして島へとやってくるきっかけとなった警察官の爛れた思想。
それらがリンクする形で話は進んでいきます。
私が読んだ最近のミステリでは珍しく、斜に構えたようなところもなく、わざわざ難しい言葉を選ぶようなところもない作品。
ミステリの部分も、トリックを解いたり証拠を調べたりといった面はなく、どちらかというと登場人物の心理面に重点が置かれて描かれている。
人の想いを描き続けて綴るこの手法に私はすっかり嵌まり込んでしまった。
普段バイトの行き帰りの電車で本を読んでいるため、大抵読み終わるのに1週間程度はかかるのだが、この作品に関しては寸暇を惜しんで読み進め、1日で読み終わってしまった。
是非他の作品も読んでみたいと思わせる傑作でした。
最近読んだ本の中ではトップですね。
森博嗣の新刊も読んだりしていたのだが、現在のところこちらの方が評価上です。
森博嗣もかなり面白かったのだけどね。。
手が進まないとか言った直後に頑張って書評を。
他にも多くの本を読んでいるのだが、どうしてもこれだけは書きたいので。
ミステリファンには以前より好評な伊坂幸太郎の世界を覗いてみました。
まず設定が異様。
この現代社会で、いまだに誰にも知られていない島が舞台。
しかもその島の住人たちは一人を除いて生まれてから一度も島から出たことがないという。
そして極め付けに喋る案山子。
最早ファンタジーのような世界設定です。
ミステリなのにあまりにも現実から乖離しているとか、要らぬツッコミを入れる人はこの時点で脱落でしょう。
それらの設定を呑み込んだ後、物語は紡がれます。
主人公はつい最近会社を退社し何もすることなくブラブラしていた日常に倦み、発作的にコンビニ強盗を企てた上にあっさり警察に囚われる人物。
彼の持つ過去の傷と現実からかけ離れた島での生活、そして島へとやってくるきっかけとなった警察官の爛れた思想。
それらがリンクする形で話は進んでいきます。
私が読んだ最近のミステリでは珍しく、斜に構えたようなところもなく、わざわざ難しい言葉を選ぶようなところもない作品。
ミステリの部分も、トリックを解いたり証拠を調べたりといった面はなく、どちらかというと登場人物の心理面に重点が置かれて描かれている。
人の想いを描き続けて綴るこの手法に私はすっかり嵌まり込んでしまった。
普段バイトの行き帰りの電車で本を読んでいるため、大抵読み終わるのに1週間程度はかかるのだが、この作品に関しては寸暇を惜しんで読み進め、1日で読み終わってしまった。
是非他の作品も読んでみたいと思わせる傑作でした。
最近読んだ本の中ではトップですね。
森博嗣の新刊も読んだりしていたのだが、現在のところこちらの方が評価上です。
森博嗣もかなり面白かったのだけどね。。
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魔剣天翔
2004年10月27日 IMAGES AND WORDS講談社文庫森博嗣の「魔剣天翔」読了。
読むのに時間をかけすぎたため、内容が自分の中でも希薄になってしまった。
説得力にかけるものがあるが、一応書評を。
最早フーダニットの一般的なミステリと完全に一線を画した小説となっているが、一応犯人はわからないようになっている。
しかし本筋はそこではなく、素性が全く謎の人間だらけの思惑を探るところが読みどころ。
少なくとも各務亜希良がこれ一発のキャラクタとは思えないんだがなぁ。
どうもこの後の伏線の匂いがする。
全体の出来は当然ですがいい感じですよ。
読者が普通に受け入れる設定を否定する観点とか、相変わらず着眼点がいい。
一般受けの面からするとわからないけどね。
次は同じく講談社文庫森博嗣の「恋恋蓮歩の演習」の予定。
いつになるかはわかりませんけど。
読むのに時間をかけすぎたため、内容が自分の中でも希薄になってしまった。
説得力にかけるものがあるが、一応書評を。
最早フーダニットの一般的なミステリと完全に一線を画した小説となっているが、一応犯人はわからないようになっている。
しかし本筋はそこではなく、素性が全く謎の人間だらけの思惑を探るところが読みどころ。
少なくとも各務亜希良がこれ一発のキャラクタとは思えないんだがなぁ。
どうもこの後の伏線の匂いがする。
全体の出来は当然ですがいい感じですよ。
読者が普通に受け入れる設定を否定する観点とか、相変わらず着眼点がいい。
一般受けの面からするとわからないけどね。
次は同じく講談社文庫森博嗣の「恋恋蓮歩の演習」の予定。
いつになるかはわかりませんけど。
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竹中半兵衛
2004年10月14日 IMAGES AND WORDS幻冬舎文庫三宅孝太郎の「竹中半兵衛」読了。
知っている人は知っている、日本の孔明ですな。
個人的には半兵衛よりも黒田官兵衛の方が孔明に近いと思うけど。
僅か36年で生涯を閉じた人物にも関わらず内容が濃い。
全てが史実通りかどうかはわからないけどね。
もう一人の道三の存在辺りはかなり怪しいかと。
でもあまり詳しく知らなかった人物のことだし、生涯通じて民のための国造りを考える、戦国武将としては非常に稀有な半兵衛のキャラクタが出ていて良かったと思う。
また一段と半兵衛が好きになったかな。
半兵衛の思想に偏っていて、軍略に関する部分がやや薄かったのが唯一の不満。
知っている人は知っている、日本の孔明ですな。
個人的には半兵衛よりも黒田官兵衛の方が孔明に近いと思うけど。
僅か36年で生涯を閉じた人物にも関わらず内容が濃い。
全てが史実通りかどうかはわからないけどね。
もう一人の道三の存在辺りはかなり怪しいかと。
でもあまり詳しく知らなかった人物のことだし、生涯通じて民のための国造りを考える、戦国武将としては非常に稀有な半兵衛のキャラクタが出ていて良かったと思う。
また一段と半兵衛が好きになったかな。
半兵衛の思想に偏っていて、軍略に関する部分がやや薄かったのが唯一の不満。
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今夜はパラシュート博物館へ
2004年4月13日 IMAGES AND WORDS講談社文庫森博嗣の「今夜はパラシュート博物館へ」読了。
最も新しい森博嗣の短編集。
S&Mの二人の再登場やVシリーズのキャラクタとの絡みなどがある森博嗣ファンにはたまらない作品です。
しかし私が最も気に入った作品はそれではなく「卒業文集」と言う一編。
小学生の卒業作文をただ幾つも書き連ねただけなのだが、最後にこちらを括目させる結末がある。
作文だけなのに読み進むにつれ読者の中で情景が想像出来る内容。
短編の妙味がここにあると思った。
自分としてはこの一編だけでこの本買う価値有りです。
その他にも「その崖はこの夏の私のガイドライン」(ちょっとタイトルに自信ないです。。)もなかなか。
長編が基本の作家だが、短編でもまた違う鋭いセンスを見せ付けてくれている。
やはり森博嗣ファンは辞められない。
次回は・・・未定です。
文春文庫石田衣良の「波の上の魔術師」になりそうかな。
現在時点でまだ読み始めていないので・・・
最も新しい森博嗣の短編集。
S&Mの二人の再登場やVシリーズのキャラクタとの絡みなどがある森博嗣ファンにはたまらない作品です。
しかし私が最も気に入った作品はそれではなく「卒業文集」と言う一編。
小学生の卒業作文をただ幾つも書き連ねただけなのだが、最後にこちらを括目させる結末がある。
作文だけなのに読み進むにつれ読者の中で情景が想像出来る内容。
短編の妙味がここにあると思った。
自分としてはこの一編だけでこの本買う価値有りです。
その他にも「その崖はこの夏の私のガイドライン」(ちょっとタイトルに自信ないです。。)もなかなか。
長編が基本の作家だが、短編でもまた違う鋭いセンスを見せ付けてくれている。
やはり森博嗣ファンは辞められない。
次回は・・・未定です。
文春文庫石田衣良の「波の上の魔術師」になりそうかな。
現在時点でまだ読み始めていないので・・・
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グリコ・森永事件
2004年4月12日 IMAGES AND WORDS創元推理文庫朝日新聞社編「グリコ・森永事件」読了。
かなり時間が経ってしまったため、頭の中で薄れ掛けていますが・・・
この本はかの有名なグリコ・森永事件を追った朝日新聞社のルポルタージュです。
初稿が事件発生翌年の85年であるため時効までの全ての記録ではないけれど、発生時の騒動ぶりがかなり詳細に描かれていて面白い。
また犯人「かい人21面相」より送られた脅迫状(挑戦状)も記載されており、いかに犯人が警察やマスコミを翻弄し続けたかがよくわかる内容になっている。
劇場型犯罪として日本中を震撼させたこの事件を知らない人は、恐らく私くらいの世代以上ではいないだろう。
残念ながら犯人は捕まることなく一連の事件全てが時効を迎えてしまったが、この事件に対する警察の力の入れようや犯人に振り回され疲労困憊になるマスコミの様子を知るにつれ、改めてこの事件の大きさや当時の恐怖が伝わってくる。
ミステリが好きな人や、犯罪に芸術性を見出す人にはお奨めの一冊。
犯罪に芸術性を見出すとは、実際に犯罪を犯す人は除外です。
あくまでも小説や頭の中など、ヴァーチャルな世界で止まれる人のみね。念の為。
さてお次は講談社文庫森博嗣の「今夜はパラシュート博物館へ」です。
タイトルでなかなか痺れる部分もあるのだけれど、まだ読んでいる最中なので読了後また書評を。
かなり時間が経ってしまったため、頭の中で薄れ掛けていますが・・・
この本はかの有名なグリコ・森永事件を追った朝日新聞社のルポルタージュです。
初稿が事件発生翌年の85年であるため時効までの全ての記録ではないけれど、発生時の騒動ぶりがかなり詳細に描かれていて面白い。
また犯人「かい人21面相」より送られた脅迫状(挑戦状)も記載されており、いかに犯人が警察やマスコミを翻弄し続けたかがよくわかる内容になっている。
劇場型犯罪として日本中を震撼させたこの事件を知らない人は、恐らく私くらいの世代以上ではいないだろう。
残念ながら犯人は捕まることなく一連の事件全てが時効を迎えてしまったが、この事件に対する警察の力の入れようや犯人に振り回され疲労困憊になるマスコミの様子を知るにつれ、改めてこの事件の大きさや当時の恐怖が伝わってくる。
ミステリが好きな人や、犯罪に芸術性を見出す人にはお奨めの一冊。
犯罪に芸術性を見出すとは、実際に犯罪を犯す人は除外です。
あくまでも小説や頭の中など、ヴァーチャルな世界で止まれる人のみね。念の為。
さてお次は講談社文庫森博嗣の「今夜はパラシュート博物館へ」です。
タイトルでなかなか痺れる部分もあるのだけれど、まだ読んでいる最中なので読了後また書評を。
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国連制圧
2004年3月23日 IMAGES AND WORDS新潮文庫トム・クランシーの「国連制圧」読了。
先に一つお断りを。
T・クランシーの本の書評をするのは今回が最初で最後にしようかと。
はっきり言ってしまうと、この人の本はどれも感想が同じになってしまうんですわ。
面白いか面白くないかの差しかないので。
作品ごとに違う部分と言えば、シリーズの違いと主人公の家庭内不和の行く末だけだったり。
と言う訳で書評。
今回はテロリストがNYの国連本部に人質取って立て篭もるお話。
まぁ当たり前の話ですが最後は主人公率いる組織が突入して人質を解放してハッピーエンド。
以下はT・クランシーの作品全体の評。
この人の作品は全て実際にこういう事態が起こり得ると言う前提で書かれている。
その着眼点を楽しむのが読者の楽しみ方。
冷戦体制の名残や宗教的イデオロギー、国際法のエアポケットなどをえぐり、それを用いた対立形式を作り上げる手法で描かれる戦争を、主人公率いる特殊チームが武力で解決すると言うのが基本の流れとなる。
読者はそれを有り得ない話ではないと思いつつ読み進んでいくと。
ある種預言書のようなものですな。
9.11WTCビルへの航空機激突テロの際に、クランシーが著作で同じ手法を用いたテロを描いていたために彼の名は一躍有名になった。
「レッドオクトーバーを追え」で既に名の売れた作家であったが、ある種の崇拝者まで現れたのはこの事件が起点ではないだろうか。
かくいう私もこの事件の際に名前を始めて知り、読み始めたクチであるのだが。
閑話休題。
今作の着眼点、国連本部(または国連関係施設)はどこの国にも属さず、施設の存在する国の警察権も及ばないため懐に入られると死に体と化すと言うもの。
やはり非常に鋭い。
国連の施設を乗っ取っても何のメリットもない上、加盟諸国の反感を買うだけのためイデオロギー的なテロからは比較的無縁な国連であるが、今作のような場合には非常に狙われやすいものであることが白昼の下に晒された。
またしてもクランシーの狙い通り「有り得るかも」と思わされてしまうのであった。
次回の書評は、創元推理文庫「グリコ・森永事件」です。
ちょっとタイトルうる憶えなので不明確ですが・・・
キツネ目の男の一連の犯行を追い、検証するルポルタージュ。
結構期待の本ですぜ。
先に一つお断りを。
T・クランシーの本の書評をするのは今回が最初で最後にしようかと。
はっきり言ってしまうと、この人の本はどれも感想が同じになってしまうんですわ。
面白いか面白くないかの差しかないので。
作品ごとに違う部分と言えば、シリーズの違いと主人公の家庭内不和の行く末だけだったり。
と言う訳で書評。
今回はテロリストがNYの国連本部に人質取って立て篭もるお話。
まぁ当たり前の話ですが最後は主人公率いる組織が突入して人質を解放してハッピーエンド。
以下はT・クランシーの作品全体の評。
この人の作品は全て実際にこういう事態が起こり得ると言う前提で書かれている。
その着眼点を楽しむのが読者の楽しみ方。
冷戦体制の名残や宗教的イデオロギー、国際法のエアポケットなどをえぐり、それを用いた対立形式を作り上げる手法で描かれる戦争を、主人公率いる特殊チームが武力で解決すると言うのが基本の流れとなる。
読者はそれを有り得ない話ではないと思いつつ読み進んでいくと。
ある種預言書のようなものですな。
9.11WTCビルへの航空機激突テロの際に、クランシーが著作で同じ手法を用いたテロを描いていたために彼の名は一躍有名になった。
「レッドオクトーバーを追え」で既に名の売れた作家であったが、ある種の崇拝者まで現れたのはこの事件が起点ではないだろうか。
かくいう私もこの事件の際に名前を始めて知り、読み始めたクチであるのだが。
閑話休題。
今作の着眼点、国連本部(または国連関係施設)はどこの国にも属さず、施設の存在する国の警察権も及ばないため懐に入られると死に体と化すと言うもの。
やはり非常に鋭い。
国連の施設を乗っ取っても何のメリットもない上、加盟諸国の反感を買うだけのためイデオロギー的なテロからは比較的無縁な国連であるが、今作のような場合には非常に狙われやすいものであることが白昼の下に晒された。
またしてもクランシーの狙い通り「有り得るかも」と思わされてしまうのであった。
次回の書評は、創元推理文庫「グリコ・森永事件」です。
ちょっとタイトルうる憶えなので不明確ですが・・・
キツネ目の男の一連の犯行を追い、検証するルポルタージュ。
結構期待の本ですぜ。
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冤罪者
2004年3月15日 IMAGES AND WORDSこちらも間が空いてしまった・・・
講談社文庫折原一の「冤罪者」です。
読み終わって数日経ってしまっているので内容が薄れているんですが・・・
はっきり言って面白いです。
登場人物のほぼ全員を怪しく見せる書き方といい、人が殺されてその謎を解いていくだけではないストーリといい、組み立てが素晴らしい。
解説にもある通りこの作品は折原一の最高傑作だと思います。
と言うかこれ以上の作品を何本も書かれたら他の作家絶滅してしまいます。
最後の謎解きの部分で少し卑怯かなと思う点も無きにしも非ずですが、ちゃんと予想を裏切ってくれたし全く飽きもこなかった。
こういう本をお奨めするために書評を書いているんだがなぁ・・・
うまくネタバレにならないように要点を書く能力に欠けている自分が悔しい。。
ミステリ好きな人は是非読んでね〜(誤魔化しのようなまとめ)
さてお次は新潮社文庫T.クランシーの「国連制圧」です。
仕事帰りに電車内で読む本がなかったために近くの書店で衝動買いした一冊。
クランシーは好きだし、何冊も読んでいるので完全な衝動買いってわけではないけどね。
こちらはミステリでもなんでもない、軍事戦術に偏ったフィクション小説。
全てフィクションなのだが、現実にも充分有り得ると言う小説を次々と発表する軍事オタクの奇才小説家の作品です。
この人極度のアジア嫌いがなければもっと好きなんだけどねぇ。
講談社文庫折原一の「冤罪者」です。
読み終わって数日経ってしまっているので内容が薄れているんですが・・・
はっきり言って面白いです。
登場人物のほぼ全員を怪しく見せる書き方といい、人が殺されてその謎を解いていくだけではないストーリといい、組み立てが素晴らしい。
解説にもある通りこの作品は折原一の最高傑作だと思います。
と言うかこれ以上の作品を何本も書かれたら他の作家絶滅してしまいます。
最後の謎解きの部分で少し卑怯かなと思う点も無きにしも非ずですが、ちゃんと予想を裏切ってくれたし全く飽きもこなかった。
こういう本をお奨めするために書評を書いているんだがなぁ・・・
うまくネタバレにならないように要点を書く能力に欠けている自分が悔しい。。
ミステリ好きな人は是非読んでね〜(誤魔化しのようなまとめ)
さてお次は新潮社文庫T.クランシーの「国連制圧」です。
仕事帰りに電車内で読む本がなかったために近くの書店で衝動買いした一冊。
クランシーは好きだし、何冊も読んでいるので完全な衝動買いってわけではないけどね。
こちらはミステリでもなんでもない、軍事戦術に偏ったフィクション小説。
全てフィクションなのだが、現実にも充分有り得ると言う小説を次々と発表する軍事オタクの奇才小説家の作品です。
この人極度のアジア嫌いがなければもっと好きなんだけどねぇ。
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人形館の殺人
2004年3月3日 IMAGES AND WORDS講談社文庫綾辻行人の「人形館の殺人」読了。
読み終わってから1週間以上経っているためやや記憶が薄れ気味ですが頑張ってみましょう。
粗筋としては主人公飛龍想一が引っ越してきた京都の古い館で奇怪な出来事が身の回りで多発し、自分が命を狙われていることを知る。
その中で失われていた自分の幼い頃の記憶を蘇らせ、全ての謎を解いていくと言う非常にミステリィらしいミステリィ。
読み終わった時点での率直な感想としては、出版当時(89年出版だった筈)は非常に斬新だったろうなと。
事実この作品で作者は賞を受賞してるし。
だけど私の中ではかなり使い古されたネタだし、個人的にはミステリィの結末としては卑怯かと。
それを卑怯だと断言させないところに作者の巧さがあると思うが。
正直オチが読めるため、探偵役よりも早く謎を解くことを喜びとする人には厳しいかも。
謎を解かせる、考えさせると言うよりも純粋に小説として楽しむタイプの作品です。
そして小説としての出来はなかなか。
文章も巧いし、先述のように表現も巧み。
だけどミステリィとしてはどうか・・・って言う感じかなぁ。
次は文春文庫折原一の「冤罪者」。
既に半分以上読んでますが、かなり面白いです。
分厚くてボリュームがあるけど、それを感じさせない。
森博嗣の「魔剣天翔」もかなり進んでいるのでどちらが先になるかはわかりませんが、近々書評を出せるかな。
読み終わってから1週間以上経っているためやや記憶が薄れ気味ですが頑張ってみましょう。
粗筋としては主人公飛龍想一が引っ越してきた京都の古い館で奇怪な出来事が身の回りで多発し、自分が命を狙われていることを知る。
その中で失われていた自分の幼い頃の記憶を蘇らせ、全ての謎を解いていくと言う非常にミステリィらしいミステリィ。
読み終わった時点での率直な感想としては、出版当時(89年出版だった筈)は非常に斬新だったろうなと。
事実この作品で作者は賞を受賞してるし。
だけど私の中ではかなり使い古されたネタだし、個人的にはミステリィの結末としては卑怯かと。
それを卑怯だと断言させないところに作者の巧さがあると思うが。
正直オチが読めるため、探偵役よりも早く謎を解くことを喜びとする人には厳しいかも。
謎を解かせる、考えさせると言うよりも純粋に小説として楽しむタイプの作品です。
そして小説としての出来はなかなか。
文章も巧いし、先述のように表現も巧み。
だけどミステリィとしてはどうか・・・って言う感じかなぁ。
次は文春文庫折原一の「冤罪者」。
既に半分以上読んでますが、かなり面白いです。
分厚くてボリュームがあるけど、それを感じさせない。
森博嗣の「魔剣天翔」もかなり進んでいるのでどちらが先になるかはわかりませんが、近々書評を出せるかな。
動機
2004年2月17日 IMAGES AND WORDS横山秀夫「動機」読了。
思ったより時間がかかりましたな。
これも前作「陰の季節」同様短編集。
表題作の「動機」がやはり秀逸かと。
一括保管を行っていた警察手帳がある日まとめて盗難にあってしまい、その一括保管を提案した警視が解決に奔走するストーリー。
これだけだと面白くなさそうだが、タイトルにもある動機についての下りは非常に面白い。
前作が警察内部の人間だけだったのに対して、今作は警察を取り巻く関係者が主人公の作品が多い。
新聞記者や裁判官などなど。
ただ「動機」に比べると一段劣る印象は否めないかな。
個人的には作品集「動機」よりも、「陰の季節」の方が面白かったように感じます。
表題作以外にはイマイチ私の心に残る作品がなかった。
葛藤がテーマになっている点は共通していると思うんだけど、どうも上滑りしている感じがあったかな。
「陰の季節」よりもやや劣るが、表題作は面白かったと言うことで評価は普通マークです。
現在手持ちの横山秀夫の著作が尽きたため、次は講談社文庫の綾辻行人「人形館の殺人」を読み始めております。
館シリーズの途中から読み始める形になってしまうのが少し気にかかるけど、前後の繋がりはそんなに強くなさそうな感じだったため読んでみます。
今までよりちょっと厚いため読むのに時間がかかると思いますが、読み終わったらまた書評など書いてみようかなと。
いつになるやら。
思ったより時間がかかりましたな。
これも前作「陰の季節」同様短編集。
表題作の「動機」がやはり秀逸かと。
一括保管を行っていた警察手帳がある日まとめて盗難にあってしまい、その一括保管を提案した警視が解決に奔走するストーリー。
これだけだと面白くなさそうだが、タイトルにもある動機についての下りは非常に面白い。
前作が警察内部の人間だけだったのに対して、今作は警察を取り巻く関係者が主人公の作品が多い。
新聞記者や裁判官などなど。
ただ「動機」に比べると一段劣る印象は否めないかな。
個人的には作品集「動機」よりも、「陰の季節」の方が面白かったように感じます。
表題作以外にはイマイチ私の心に残る作品がなかった。
葛藤がテーマになっている点は共通していると思うんだけど、どうも上滑りしている感じがあったかな。
「陰の季節」よりもやや劣るが、表題作は面白かったと言うことで評価は普通マークです。
現在手持ちの横山秀夫の著作が尽きたため、次は講談社文庫の綾辻行人「人形館の殺人」を読み始めております。
館シリーズの途中から読み始める形になってしまうのが少し気にかかるけど、前後の繋がりはそんなに強くなさそうな感じだったため読んでみます。
今までよりちょっと厚いため読むのに時間がかかると思いますが、読み終わったらまた書評など書いてみようかなと。
いつになるやら。
陰の季節
2004年2月10日 IMAGES AND WORDS文春文庫の横山秀夫「陰の季節」読了。
2月9日の通常日記で書いた、映画「半落ち」の原作者横山秀夫が世に出た作品集です。
私が本屋でバイトしていた頃から横山秀夫の評価は高く、半落ちの大ヒットもあってずっと読みたいと思っていた作家だったため期待をして読んでみました。
感想、面白い。
やはり内容は伏せますが、全体的に今まで読んできたミステリーとは全く違う。
謎を解くと言う点では従来と同じなのだが、舞台が違う。
従来の小説は犯罪が起きてそれを解決するのが目的であり、そのトリックや動機などを読者が考えながら読み進む形だったのが、横山秀夫の作品ではそれを目的としない。
スタートは大抵一つの噂話から始まり、それを刑事ではなく人事や監察の人間がその噂の真偽を確かめ、それを処理していくと言う展開になっている。
つまり人は死なない。
要は刑事が出る幕じゃない物語である。
犯罪のトリックではなく、なぜそのような噂話が出てきたのか、その真偽はどうであるのか、真実であれば何故そんなことをしたのかを主人公と調査対象の両面の心理から描いてある。
兎角難解なトリックが流行っているミステリーの中、このようなスタイルのミステリーもたまには面白い。
こういう作品ばかりだと面白くないだろうが、今の時代だからこそ面白さが増幅されると言う面があるんじゃないだろうか。
持てる知識を総動員してトリックを解きながらミステリーを読みたい人にはお奨めしないが、そういうものに少し食傷気味の人には丁度良い作品だと思う。
厚さも然程でもないので2、3時間もあればさっくり読めるしね。
さて「陰の季節」の次に読み始めた作品は、文春文庫の横山秀夫「動機」です。
陰の季節を読んでみて、正直連荘だと厳しいかなと思いながらも読み始めようとしてます。
これで面白いようなら本物かなと。
また読んだらレビューを致しませう。
2月9日の通常日記で書いた、映画「半落ち」の原作者横山秀夫が世に出た作品集です。
私が本屋でバイトしていた頃から横山秀夫の評価は高く、半落ちの大ヒットもあってずっと読みたいと思っていた作家だったため期待をして読んでみました。
感想、面白い。
やはり内容は伏せますが、全体的に今まで読んできたミステリーとは全く違う。
謎を解くと言う点では従来と同じなのだが、舞台が違う。
従来の小説は犯罪が起きてそれを解決するのが目的であり、そのトリックや動機などを読者が考えながら読み進む形だったのが、横山秀夫の作品ではそれを目的としない。
スタートは大抵一つの噂話から始まり、それを刑事ではなく人事や監察の人間がその噂の真偽を確かめ、それを処理していくと言う展開になっている。
つまり人は死なない。
要は刑事が出る幕じゃない物語である。
犯罪のトリックではなく、なぜそのような噂話が出てきたのか、その真偽はどうであるのか、真実であれば何故そんなことをしたのかを主人公と調査対象の両面の心理から描いてある。
兎角難解なトリックが流行っているミステリーの中、このようなスタイルのミステリーもたまには面白い。
こういう作品ばかりだと面白くないだろうが、今の時代だからこそ面白さが増幅されると言う面があるんじゃないだろうか。
持てる知識を総動員してトリックを解きながらミステリーを読みたい人にはお奨めしないが、そういうものに少し食傷気味の人には丁度良い作品だと思う。
厚さも然程でもないので2、3時間もあればさっくり読めるしね。
さて「陰の季節」の次に読み始めた作品は、文春文庫の横山秀夫「動機」です。
陰の季節を読んでみて、正直連荘だと厳しいかなと思いながらも読み始めようとしてます。
これで面白いようなら本物かなと。
また読んだらレビューを致しませう。
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真田幸隆
2004年2月6日 IMAGES AND WORDS真田幸隆読了。
では感想を。
最近私は戦国づいていて、この真田幸隆の前には真田昌幸、北条氏康などを読んでいたのだが、今回の真田幸隆は上の真田昌幸の父親。
ちなみに真田昌幸は有名な真田幸村の父親ね。
つまり真田幸村のお祖父さんのお話ですわ。
この本を読むまでは最初は武田と対立した勢力の人物で、後に信玄に仕えその知略でのし上がった人物としか知らなかったんだけど、今回読んでみて予想していた以上に苦労した人物なのだと感じた。
里を追われ、食客に甘んじ、里を追った人物の息子に仕え、その結束の高い家臣団の中で外様から筆頭家臣まで上り詰めるまでの長い遍歴を、幸隆の心情の変化や強い決意、また当主武田信玄との交わりなど出来事だけでなく、心の動きを主点に描かれている。
私は文章が嫌いな場合以外は然程悪く書かないので褒めてるから必ず気に入るとは限らないけど、戦国史が好きな人は読んでみる価値はあるかなと。
信長や信玄など有名な大名だけでなく、それらを支えた家臣達にもドラマを持っている人物が戦国史には数多い。
真田一族などその筆頭に当たるだろうが、昌幸・幸村親子が目立ちすぎて意外とその先代幸隆は名が知れていない。
家康をも恐れさせ、後の世に名を残した真田親子が立つ基礎は幸隆が築いたものである。
その基礎を築きあげるまでの物語もまた子供達の武勇伝にも劣らないほど面白い。
真田幸隆の次は文春文庫の横山秀夫「陰の季節」を読んでます。
恐らく次はこれの書評になるかと。
最初に書いた時に説明をし忘れていたのだけれども、私は場所によって違う本を読んでます。
一番読むペースが早いのは会社の帰りに読む文庫。
これが幸隆とか陰の季節とか。
ただコートのポケットに入れて持ち歩くため、どうしても文庫本サイズで薄い本に限られてしまいます。
本当はこの後大谷吉継を読みたかったのだけど、分厚すぎてコートのポケットに入りませんでした。
で、次にペースが早いのが家で読む文庫。
これで今読んでいるのが森博嗣の「魔剣天翔」。
家で時間があるときに読んでいるのでややペースは落ちます。
最後に文芸書。
サイズが大きく、分厚いため読むのがどうしても遅くなりがち。
今は平野啓一郎の「葬送」を読んでいるけど、上下巻構成でそれぞれがかなり厚い。。
読み終わるのは相当後になるかと。
こんな感じで大体3冊程度を同時に読んでます。
それぞれ読み終わったら書評ってな感じで。
では感想を。
最近私は戦国づいていて、この真田幸隆の前には真田昌幸、北条氏康などを読んでいたのだが、今回の真田幸隆は上の真田昌幸の父親。
ちなみに真田昌幸は有名な真田幸村の父親ね。
つまり真田幸村のお祖父さんのお話ですわ。
この本を読むまでは最初は武田と対立した勢力の人物で、後に信玄に仕えその知略でのし上がった人物としか知らなかったんだけど、今回読んでみて予想していた以上に苦労した人物なのだと感じた。
里を追われ、食客に甘んじ、里を追った人物の息子に仕え、その結束の高い家臣団の中で外様から筆頭家臣まで上り詰めるまでの長い遍歴を、幸隆の心情の変化や強い決意、また当主武田信玄との交わりなど出来事だけでなく、心の動きを主点に描かれている。
私は文章が嫌いな場合以外は然程悪く書かないので褒めてるから必ず気に入るとは限らないけど、戦国史が好きな人は読んでみる価値はあるかなと。
信長や信玄など有名な大名だけでなく、それらを支えた家臣達にもドラマを持っている人物が戦国史には数多い。
真田一族などその筆頭に当たるだろうが、昌幸・幸村親子が目立ちすぎて意外とその先代幸隆は名が知れていない。
家康をも恐れさせ、後の世に名を残した真田親子が立つ基礎は幸隆が築いたものである。
その基礎を築きあげるまでの物語もまた子供達の武勇伝にも劣らないほど面白い。
真田幸隆の次は文春文庫の横山秀夫「陰の季節」を読んでます。
恐らく次はこれの書評になるかと。
最初に書いた時に説明をし忘れていたのだけれども、私は場所によって違う本を読んでます。
一番読むペースが早いのは会社の帰りに読む文庫。
これが幸隆とか陰の季節とか。
ただコートのポケットに入れて持ち歩くため、どうしても文庫本サイズで薄い本に限られてしまいます。
本当はこの後大谷吉継を読みたかったのだけど、分厚すぎてコートのポケットに入りませんでした。
で、次にペースが早いのが家で読む文庫。
これで今読んでいるのが森博嗣の「魔剣天翔」。
家で時間があるときに読んでいるのでややペースは落ちます。
最後に文芸書。
サイズが大きく、分厚いため読むのがどうしても遅くなりがち。
今は平野啓一郎の「葬送」を読んでいるけど、上下巻構成でそれぞれがかなり厚い。。
読み終わるのは相当後になるかと。
こんな感じで大体3冊程度を同時に読んでます。
それぞれ読み終わったら書評ってな感じで。
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書評スタート
2004年2月2日 IMAGES AND WORDSブックレビューの方で書いた方が良いのかも知れないけど、書き方を指定されそうなのでパス。
内容が悪ければ私はその通り書くので、検閲入れたりとかされてもイヤだし。
本を読み終わったら順次書評を載せていく形にしようと思ってます。
面白ければ喜びマーク、面白くなかったら怒りマークにして書くので、面白くないって書評を読みたくないって場合はタイトル横のマークで判別していただけるとありがたいかと。
自動表示されてしまうので、読む読まないの選別は難しいかも知れませんが。
本当は今まで読んだ本のレビューもしたいんだけど、膨大で無理です。
なので今後読んだ本のみで。
現在はPHP文庫の真田幸隆、講談社文庫森博嗣の魔剣天翔、新潮社文芸書平野啓一郎の葬送あたりを読んでます。
葬送は多分壮絶な時間がかかると思われますので、忘れた頃にレビューがあるかと。
ほな読み終わったら突然気紛れに更新しますわ。
内容が悪ければ私はその通り書くので、検閲入れたりとかされてもイヤだし。
本を読み終わったら順次書評を載せていく形にしようと思ってます。
面白ければ喜びマーク、面白くなかったら怒りマークにして書くので、面白くないって書評を読みたくないって場合はタイトル横のマークで判別していただけるとありがたいかと。
自動表示されてしまうので、読む読まないの選別は難しいかも知れませんが。
本当は今まで読んだ本のレビューもしたいんだけど、膨大で無理です。
なので今後読んだ本のみで。
現在はPHP文庫の真田幸隆、講談社文庫森博嗣の魔剣天翔、新潮社文芸書平野啓一郎の葬送あたりを読んでます。
葬送は多分壮絶な時間がかかると思われますので、忘れた頃にレビューがあるかと。
ほな読み終わったら突然気紛れに更新しますわ。