まず野球から。
阪神ヤクルト戦をザッピングしながら見てたのね。
まぁ結果は・・・ね。
で思った事。
浅井について。
ボールを受けた後、ピッチャーに返球する時にとにかく普通に取れる球を戻せない。
プレーが切れてる時だし、然程大きい事ではないように見えるけど、これってかなり大事な事だと思う。
西武の伊東勤が以前何かのインタビューで言っていた記憶がある。
「良い球を放った時にはすぐにピッチャーに対してボールを返してやる。キャッチャーからの返球は投手のリズムを掴むのにとても重要なこと。僕はこの事に一番気を付けている」って。
投手が気分が良くなっている時に返球が逸れるとやはり気が散ったり、集中が途切れたりすると思うんだな。
その辺がまだまだプロの捕手として通用しない点なんじゃないかな。
勿論リードにしろスローイングにしろまだまだ不充分ですが。
木戸コーチがどういうアドバイスをしているか興味がありますな。


さて昨日予告した通り三国志総括。
先ほど読み終わったので頭に焼き付いているうちに総括します。

文章に関しては以前の日記にも書いている通りとても好き。
力強いし表現の仕方も私好み。
単純に小説として読んでいて一番面白かった三国志ですな。

さて内容について。
多分三国志のストーリーは知ってる人が多いと思うんでネタバレを気にせずに行きます。
「反三国志」みたいに歴史を捻じ曲げているわけじゃないしね。
基本的には演義を踏襲してます。

まず全体の印象として悪役が存在してない。
一般的に演義だと曹孟徳や孫仲謀は悪役に回る事が多いんだけど、この三国志は中心的な登場人物が皆格好良い。
誰しもが他を抜く資質を持ち、長所と短所が同居して一人の人間として確立されてる。
特に筆者は荀文若が好きなのか、彼の描き方には相当力が入ってる。
彼と曹孟徳との会話の部分には他の部分を圧倒する迫力を感じたな。
また魏・呉・蜀のそれぞれの思想・志がはっきりと表現されていて最終的に目指すものがわかりやすい。
私は元々曹孟徳が大好きだし、魏の人物達に好きな人物が多いため、このような書き方には好感が持てる。
ただ、曹孟徳の描き方で一箇所だけ、ただ一つだけ納得出来ない部分があったかな。
郭奉孝が風土病で死去し、その葬儀の際の心情の表現で「死んでしまえばそこまでの人物であった。涙を流そうと思えば流せた。」と(少し文章は曖昧だけど)描いた事。
私には曹孟徳は士を愛し、士を求むという姿勢を生涯貫いたという印象があるため少し違和感があったかな。。
そこで彼の非情な部分も描こうとしたのかも知れませんが。

あと特筆すべきところとして、観点が非常に戦略的なこと。
一方で人情や義理を描きつつ、戦略的視点も保持していると言うのは素晴らしい。
どうしても話が難解になり、理解し辛くなるため戦略的な話を避ける三国志が多い中で、徹底して全員を戦略に基づいて動かすという進行を貫いたという事に敬意を覚えた。

それと、人の死に方に拘りがないってのも感じたな。
どうしても小説は死に様を美しくしたり華美に描いたりすることが多いと思うんだけど、この三国志には死ぬ時にみな一様に拘りがない。
言葉では説明しづらいんだけど、主要人物が死ぬ際に文字数は使っても過度な表現は使わない。

13冊読み終わった今、もう少し先の話まで描いて欲しいと思わなかったのも初めてですね。
五丈原でストーリーは終わりを告げるのだけれど、そこで終わりで良かったと思う。
これ以降は内乱や掃討戦のような物語が続き、魅力的なストーリーにするにはやはり多少歴史の歪曲が必要になってくると思うので。
私個人としてはこの後でも好きな話もあるんですけどね。
羊叔子と陸幼節のエピソードとか。

とにかく面白かったですわ。
今水滸伝も書いているので、そちらも文庫版になったら買って読んでみようと思います。
水滸伝はどうしても冗長な感じが拭えないと私は思うんで、それをどう払拭するかを楽しみにしながら。

北方三国志は、三国志を初めて読む人には向かないと思うけれど、ストーリーが全て頭に入っており、更に登場人物に関しての印象を深めたいと思っている人にはお薦めだと思います。
ただ、勿論彼の描き方が全てではありません。
色んな人の三国志を読み、そこから自分なりの各人物の印象を練り上げていくとより三国志に興味を覚える事が出来ると思います。
それだけ三国志には掘り下げる余地がある史実だと思いますので。
演義と正史を読み比べて、その違いを見てみるのも面白いと思いますよ。

ぁ、最後に少し言い訳めいたことを。。
文中の人物名を全て姓・字で書いていますが、これは私なりの敬意表現で、格好付けてる訳じゃありません(汗)
わかりにくいかと思いますが、ご了承を・・・
曹孟徳:曹操
孫仲謀:孫権
荀文若:荀イク(イクの字は或のノが3本になった字です。辞書の中に入っていないので・・・)
郭奉孝:郭嘉
羊叔子:羊コ(コの字は示古と言う字です。これも辞書にありません・・・)
陸幼節:陸抗
です。
姓・名・字と言う書き方は大変失礼にあたるので避けております。。

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